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【禁聞】中国の病院汚職 院内暗黙のルール

2015年02月22日

【新唐人2015年02月22日】中国では、医療費が高く、医療サービスを受けるのも容易なことではありません。医療費は庶民の生活の大きな負担となっており、医療保険を使用したとしても、何の足しにもなりません。なぜでしょうか。先日、あるメディアが、病院内の各種の「暗黙のルール」について報じました。それによると、医薬品や医療機器の仕入でリベートを受取るだけでなく、病院の建設工事の時も一稼ぎするといいます。このような病院の腐敗コストのしわ寄せは全て患者に転嫁されます。安徽省では昨年、16か所の公立病院の院長が汚職で処分を受けました。

 

官製メディア「新華網」の報道よると、安徽省検察機関反腐敗部門が昨年捜査・立件した医療部門の汚職案件は108件で関与者は123人。うち病院の院長が16人、副院長が6人でした。また、一部の都市ではほとんどの公立病院で系統的な汚職が発生していることが明らかになりました。

 

安徽省検察院反腐敗局によると、昨年処分された病院院長は阜陽市(ふようし)人民病院の元院長・高学中(こう がくちゅう)、六安市人民病院元院長・朱徳昌(しゅ とくしょう)、蒙城(もうじょう)県漢方医院元院長・丁懐順(ちょう かいじゅん)など16人。多くの県クラス病院の上層部の主要責任者も調査を受けました。

 

報道によると、病院の院長は主に医薬品の仕入れや医療器材の購入およびインフラ整備工事などを通じ、権力を金に変えています。製薬会社は医薬品を多く仕入れてもらうために、病院の関係責任者及び院長にリベートを贈りますが、ほとんどの院長は断りません。

 

上海の人権活動家 杜亜明さん

「医師は処方箋を出して、リベートをもらいます。より多く処方すれば、リベートも多くなります。だから医師は意識的にこのことを行い、必要のない薬まで、リベートのために大量に処方するのです」

 

また、医療器材の購入面において、高価な大型設備を購入する際、企業側と病院側はリース契約を結び、利益分配を行います。企業は受注後、高い利益を得るためにしばしば病院の主要責任者に賄賂を贈り、病院に優先的にその医療機材を使わせるのです。

 

「上海の人権活動家 杜亜明さん

病院へ行ったら、風邪、咳あるいは血圧が少し高いだけでも、検査に全ての機材を使います。悪いところが見つからなくても、数千元の検査費を取られるのです。特にガンにでもなったら、全ての診療科、まず外科、次に内科、心臓血管科と次々まわされ、診療科が変わるごとに検査をさせられます」

 

報道によると、病院インフラ整備における院長の権限はさらに大きく、リベートに対する要求もさらに高いそうです。彼らは手中の権力で建設業者を助け、一般の入札をはじき、建設費用が数百万元ないし数千万もする病院のインフラ整備工事を受注します。入札手続きは「形式上」のものにすぎません。

 

在米中国問題研究者 張健さん

「プロジェクトの開始から腐敗が起きます。食事接待や金銭、リベートの受け取り、手抜き工事をします。当然病院の完成後は内部の職員に対し、過酷な天引きを行い、医師はまた患者に大きな負担を負わせます。病院に来たのに、逆に悪くなりたくないので、患者は医者にお金を包みます。これが腐敗のはびこる原因です」

 

検察機関の調査官は、院長の汚職は往々にしてその病院全体が腐敗していることを意味すると述べています。医療機関の末端職員は、院長や主要責任者が賄賂を受け取ると、他の幹部や医師もその影響を受け、「みんなで違反すると法律でも罰せられない」という考えを持つようになり、徐々に「リベートを受取る」ようになると指摘しました。

 

在米中国問題研究者 張健さん

「病院上層部が各診療科の主任や幹部を選ぶ時、権力と金銭、性の取引が行われます。病院は仕入部門の薬品の状況把握について、管理の甘さがみられ、高額リベートを受け取ったり、偽薬や粗悪品で患者を騙したりします。だから病院部門の腐敗は各方面に及んでいます」

 

検察機関の公開資料によると、処分された16人の院長は巨額の収賄に関与しています。例えば、六安市人民病院の元院長・朱徳昌は外科医療技術棟、総合問診棟の建設および医薬品の集中仕入れ過程において279万元の賄賂を受け取りました。また阜南(ふなん)県人民病院の元院長・劉学武は1千万元を超える収賄容疑がかけられています。しかし実際の収賄額は公表した額を遥かに上回ると見られています。

 

「中国網」によると、大部分の病院は内部監督機構を設けているものの、実際は形骸化しています。医薬品と機材の仕入れの決定権は病院の上層部にありますが、多くの病院の院長は行政部門だけではなく、営業や医療学術部門においても権威であり、全ての権力が院長一人に集中しています。このため、内部監督部門はあっても機能しなくなるといいます。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2015/02/13/a1177011.html(中国語)           

(翻訳/赤平 ナレーター/村上 映像編集/李)

 

                       

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